離婚という目標のために「行動」すべきこと~離婚~

 

弁護士の山田雄太です。

 

今回は、離婚という目標のために、どのような「行動」を取るべきかということを考えたいと思います。

目次

1 「離婚後」に生活していく手段は確保できているか

(1)「稼ぐ力」をつける(仕事をする)

(2)実家を頼る

(3)養育費を得る

2 裁判になっても「離婚」の判決を貰うための準備をする

(1)不貞の証拠をおさえる

(2)DVやモラハラの証拠を集める

(3)「離婚原因」が見つけられない場合にどうするか

 

大前提として、個人的な考えを述べれば

「離婚はしないで済むのであればしないに越したことはない」と思います。

しかし、具体的に依頼者の方から色々な事情を伺っていると、

・婚姻関係が修復の余地がない

・余りに過酷な状況に置かれている

・DV、暴言を受けて続けている

・モラハラがひどい

等、離婚を選択するより途がないケースも多く存するのも事実です。

このような場合に、自らを殺してまで婚姻生活を維持することは、

自分の幸せの為にも、あるいは、お子様がいらっしゃる場合には、お子様の幸せの為にも決して良いことではなく、

その場合には、少しでも早く「離婚」という目標を達成するための「行動」を取る必要が出てくることなります。

(※行動することの価値は一つ前の記事で書きました)

「行動する価値」について

では、離婚をするために、どのような行動をするべきか。

大きく二つの方向性から検討する必要があります。

 

では、本編です。

1 「離婚後」に生活していく手段は確保できているか

離婚をする上で、何よりも重要なのは、

「稼ぐ力」

です。

あるいは、

「経済的自立」

と言ってもよいかもしれません。

世の中には、どうしても離婚をしたいけれども、

配偶者に経済的に依存しているがために、離婚の選択を取ることが出来ない方も多くいらっしゃいます。

そのような方が、配偶者からの関係を切り離し、自立して生活をしていくには、

やはり、「お金」の話は切っても切れない関係にあると思います。

そのため、離婚を考えられている方は、

(1)「稼ぐ力」をつける(仕事をする)

第一に、「稼ぐ力」をつけるために、少しずつでもよいので行動をしていっていただければと思います。

仮に無職であったとしても、第一歩を踏み出せばよいのです。

最初は小さな一歩で良いと思います。

パート(アルバイト)から始まり、

時給を上げ、会社での信頼を得て正社員を目指すのも一つですし、

何か「商品」を作って、売るために何ができるかを考えて行動をするのでもよいと思います。

(ネット環境を使って何かを始めるのは重要な手段のうちの一つだと思います。)

そして、少しずつお金を貯めていき(もちろんヘソクリとして)、その後の生活の糧としていくのです。

(2)実家を頼る

第二に、これは、「経済的な自立」の観点からすれば裏技ですが、

 「実家を頼る」

ことも重要な手段です。

離婚をしか選択肢がない状況に追い込まれているのであれば、

見栄を張っている場合ではありません。

親に頭を下げて、面倒を見てくれるようにお願いをし、

実家の経済的な支援を得ながら、

親の力が衰える前に、

自らの「稼ぐ力」をつけるのです。

この場合には、(1)の場合に比べれば、「経済的自立」を獲得するまでに少し時間的な猶予が与えられますから、

与えられた猶予の中で、自分が何をすることができるか必死に考えて、

一つ一つ行動をしていけばよいのではないかと思います。

(3)養育費を得る

最後に、

離婚後、「養育費を得る」というのも、一つの重要な手段です。

しかし、養育費に「依存してはいけません」

家庭裁判所が出している養育費の算定表は、生活していくには、あまりに微々たる金額です。

しかもそれについて争ったとしても、算定表を超える認定をえることはかなり難しいのです。

更に言えば、養育費を不払いにされるリスクも多分にあります。

もちろん、執行という手段はありますが、大きなストレスになるのは間違いありません。

「不払いにされたら生きていけない。」「不払いにされたらどうしよう。」と不安に思いながら生活していては、

幸せな生活を送ることは出来ません。

 

養育費は、もちろん、経済的な支えになるけれども、

養育費に頼らずとも生きていける「経済基盤」を持つことが、

精神的にも安定した生活を送るうえで不可欠ではないかと思います。

 

2 裁判になっても「離婚」の判決を貰うための準備をする

第二に、「離婚原因」の話は避けては通れません。

離婚をしたくても、

配偶者が「離婚をしたくない」と言って、

「離婚原因」を争い始めた場合には、

長くつらい闘いになる可能性があります。

 

裁判所は、簡単には「離婚原因」があるとは認定いたしません。

「離婚原因」については、別の記事で簡単に述べましたが、

離婚原因(離婚を望む立場から)~離婚~

裁判所が「離婚原因」があると認定をしてくれるように、

同居期間から資料を揃えておく必要があります。

例えば、

(1)不貞の証拠をおさえる

配偶者が不貞をしているのであれば、

不貞の証拠を徹底的におさえる必要があります。

LINEの履歴も然り、

写真データを見るのも然り、

家に不貞相手を呼んでいる形跡があれば、録音をしておくのも然り、

SUICA,PASMOの履歴を取ることも然り、

ホテルに行った際の領収書を抑えるのも然り、

場合によっては、探偵を使って、ホテルに入るのを写真で押さえるのも然り、

自分に有利になるかもしれない資料収集であれば、何でもやるべきです。

 

(2)DVやモラハラの証拠を集める

DVやモラハラを主張する場合、

殴られて怪我をした場合には、すぐに病院に行きましょう。

病院に行って、診断書を書いてもらい、全治〇ヶ月、全治〇週間と書いてもらうのです。

血が出たり、あざができた場合には、写真で残しておきましょう。

それをすぐに相手に突きつけるのではなく、裁判等で必要な時のために取っておくのです。

さらに、

 「録音」

は必須です。

何か暴言を吐かれた場合には、それをデジタルデータとして残しておくことが何よりも重要になります。

これがあれば、裁判においても、裁判官に説得的にアピールできます。

 

(3)「離婚原因」が見つけられない場合にどうするか

最後にこれと言って「離婚原因」が見つけられない場合

「性格の不一致」にとどまると裁判所で言われる場合ですが、

この場合には、

「別居期間を稼ぐ」

しか手段はありません。

仮に、裁判所が、「性格の不一致」以外に離婚原因がないと認定した場合(こちらがDVやモラハラを主張したとしても証拠がなければ認定してくれません)、

最後は別居期間が勝負になります。

少なくとも、3年

望ましいのは、5年です。

 

「長い・・・」と思われたかもしれませんが、

現在の裁判実務ではこれが現実です。

 

なので、別居をしても経済的にやっていけるのであれば、

(あるいは、離婚を主張するにあたり、資料が十分に揃ったといえるのであれば)

 「すぐに別居を始めるべきです」

裁判所が最後に離婚原因を判断するにあたっては、色々な諸事情を考慮することになりますから、

合わせ技一本を狙うことになるでしょう。

その場合には、「別居期間」というのは、重要な手段となるのです。

以上、色々と述べましたが、

離婚をする以外に選択肢がないほど追い込まれている方は、

上記述べたような点を意識して、

一つ一つ「行動」を積み重ねていっていただければと存じます。

 

※あわせて読みたい記事

その①

離婚に向けた別居の前に準備したい6つのこと~離婚~

その②

「行動する価値」について

その③

離婚したい!でも離婚協議は慎重に!~離婚~

その④

離婚をすると決めたら(総論)~離婚~

 

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